どうにもならないことは考えない「影響の輪」と「関心の輪」

ある日のこと、私は印鑑登録をしに役所に出かけました。

役所ですから待ち時間は当然…と自分に言い聞かせ、
申請書に記入して待つこと2〜30分。
手続き完了の呼び出しだと思って窓口に行くと

「この印鑑、一文字だけお名前と異なる漢字が彫られているんです」
「もう少し調べてみますが、おそらく登録不可と思われます」

えっ!?何それ?どういうことなの??

 

以前の住所地では実印として登録し、もう何年も使用していた印鑑なのに、
漢字が違うなんてありえない!

でもよく見ると、本当に私の名前の漢字が違うのです。
今まで誰も、自分でさえも、気づかなかったなんて…

結局、その印鑑では登録できず、
印鑑証明をどうしてもその日に取らなければいけなかった私は
仕方なく即席の印鑑を作りに出かけ、再度役所へ。

所要時間、3時間。

最初の待ち時間から若干イライラしていた私のテンションは急降下。
やり場のない怒りをどう処理すべきか、考えあぐねていました。

結局半日近く、イライラしたまま。
これではダメだ、と切り替えようにも、なんだか釈然としない…

無駄なエネルギーの消費をしてしまったんですよね。

 

スティーブン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」では、

「影響の輪」と「関心の輪」
について論じられています。

自分が関心のある事柄の範囲(関心の輪)の中で
自分が直接影響を与えることができる範囲(影響の輪)を広げていくことが大切。

そして影響の輪の外にある事柄
つまり
自分ではどうにもならないことを思い煩ったり、悩んだり、不満を持つことはムダ。
笑って受け入れられるよう、意識することが大切。

とあります。

過去の出来事、天気、などは自分の関心の範囲ですが、
自分の手でコントロールできるものではありません。

たとえ雨が降って、気分が悪くなったとしても
雨を止ませることはできないのです。

これは、「影響の輪」の外にあるということ。

そこを思い煩い続けるのではなく、受け入れて、
今、自分が何ができるのか、に注力する。

そうやって少しずつ、
「影響の輪」を広げていく意識を持つということですね。

 

同じように、
部下が思い通りに動かない、というとき。

あなたにとって部下が動かないという事柄は
「影響の輪」の外にある、ということになるのです。

それを
「なんで思い通りに動かないんだ!」
と、不満を漏らして時間とエネルギーを無駄にするのではなく、

「影響の輪」の中にある、あなたの考え、言動、指示、接し方…
これを変えていくことで少しずつ
部下に影響を与えられる範囲を広げていく努力をする。

これがイケてるリーダーの考え方、ですね。

 

冒頭の、私の実印事件ですが。

▼ 漢字を間違えた印鑑製作者に対して
▼ 出来上がった印鑑を確認せずに使ってきた過去の自分に対して
▼ 以前の住所地では登録できたのに、さんざん待たせた挙句、登録不可を突き付けた現住所の役所に対して

こんな風に、さまざまな
「自分ではコントロールできないこと」=影響の輪の外にある事柄
へのイライラ、思い煩いがありましたが

そこをいつまでも考えていても、仕方がないこと。

もっと器を大きく持ち、些細なことでイライラせず、
影響の輪を広げることに集中できるようになる!

と決意を新たにした一日になりましたとさ(笑)

 

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