チーム創りコラム

衝撃のネーミングは本質の証『地獄のループ』

『自分が何をしたいのか、何をしたくないのか、何をすればいいのか、何にモヤモヤしてるのか、それともしてないのか、見失ってしまって…』時折受ける仕事の上でのこうした相談には、販売業の管理職の場合、ある共通した根底の課題が含まれているように思います。
それは【売上実績に関わる要求に応える】つまり、売上目標等に対するコミットメントの部分です。

販売業の場合、一番わかりやすい仕事の目的は「売上(収益)を上げること」です。その目的のために「今期は、今月は、今週は、今日は、◯◯の売上が目標」といった【要求】が課せられます。目標を目指して販売や営業活動【行動】を行い、目標を【達成】すれば(未達成だとしても)また要求が課せられるという仕組みです。

今日が終われば明日、今月が終われば翌月、今期が終われば来期…と、【要求】【行動】【達成】の仕組みに終わりはありません。永遠に続くループなんですよね。

そして、このループを当然のことと受け止めて毎日の【行動】に意欲的に取り組んでいるお店と、ループを重荷に感じ【行動】がストップ、もしくは停滞し【達成】を成し遂げることができなくなっているお店が存在します。

【要求】という言葉には表現は悪いですが「これをやれ」という意味が含まれます。はじめのうちは「求められていることに応えたい」のように【要求】と【欲求】がイコールになることもありますが、ループは永遠に続きます。いつまで経っても終わりがない。しかもループが回る過程は【達成】によって欲求が満たされている状態ばかりではありません。このままでは要求を満たせない、目標に届かない、不安や焦りがつきまとうのです。

いつの間にか「これをやれ」が一人歩き。「求められることに応えたい」ではなく「求められることに応えなきゃ」に変わり、やらされ感で仕事をすることになると行動は停滞し、いつかストップし、疲れ果て、どうすればいいのかわからなくなって冒頭の相談になるというわけなんですね。

 

この状態を私たちは『地獄のループ』と呼んでいます。

販売の宿命である【要求】【行動】【達成】のループが「やらされ感」に変わるとき、ループはただのループではなく地獄になる、という考え方です。

地獄の呼び名たる所以は「ハマっていることに気づけない」点と「お店全体に伝染する」という点です。

「要求に応えられなければ評価が下がる」といった恐怖や不安が管理職を追い詰めます。「やらない、できない」なんて言えない、あり得ない…と、不安はより一層やらされ感を増大させ、管理職の下(お店のメンバー)に要求がそのまま降りていき、その空気はお店全体へ伝染していきます。毎日数字を詰められる部下、お店全体に「やらされ感」が蔓延。それは管理職の不安や恐怖から生まれるものです。

でも、根底にあるのは「要求に応える」ことへの責任感。まさかそれが自分を、部下を、お店を追い詰めているなんて、普通はやっぱり気づけませんよね。

ですが一方でループを当たり前に受け止めて意欲的に取り組み、要求を達成することで評価と満足を得ているお店が存在します。言い換えれば「地獄にハマっていないお店」です。

どんな違いがあると思いますか?

それは【要求】を変換するという覚悟を持った管理職の存在です。

要求はそのものが「やらされ」です。覚悟を持った管理職は、販売業は「やらされ」で出来ていることをまず当然のこととして受け止めています。その上で「やらされ」をどうやって「やりたい」に変えられるのか?つまり変換できるのか?を常に考えています。そして「やりたい」に変換できる動機付けをお店のメンバーに還元します。

動機付けはさまざまありますが、一番は『価値』ではないでしょうか。ループをしっかりと理解している管理職は【達成】することへの誇りを持たせ、【行動】が評価される風土をつくり、【要求】を「そうしたい」と思わせる『価値』に変換してしまうのです。そしてループを回してくれるお店のメンバーを心から評価し、感謝し、【要求】してくる側にしっかりと伝える覚悟を持っています。ときには伝わるまで対峙することも必要かもしれません。

 

地獄のループには誰もが簡単にハマってしまいますが、抜け出すのは至難の技です。

抜け出すためのヒントは、まず地獄にハマっていることに気づくこと。
そして、ループの仕組みをしっかりと理解し、要求を変換する覚悟を持つこと。

変換に役立つのは「どうしたらメンバーのパフォーマンスが上がるのか?」を考えることではないでしょうか。
上からの要求を何の工夫もせずそのままお店に落としていないでしょうか?
それは、やらされ感を伝染させて、自分もメンバーも疲れさせてしまいます。グッとこらえ勇気を持って変換してみましょう。そうやって自分からループを断ち切ろうとする変化が、お店に化学反応を起こすのですから。

 

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