マネジメント力UP!強いチームを作るための絶対条件

私たちの事業は、主に携帯電話販売店スタッフさんへの人材育成コンサルティングです。特にリーダー/マネジメント職に携わる方向けの研修や養成講座、スタッフへの面談指導、従業員面談キャリアコンサルティングには特に力を入れていまして、その他、階層別社員研修や店舗OJT、販売マインドの指導・助言などもさせてもらっています。

メンバーは全員、通信業界に携わった経験を持っています。統括マネージャー、リーダー、店舗SV、ひかり(ネット)訪販、獲得No.1スタッフなどの経験と、心理系の資格(心理カウンセラー・キャリアコンサルタント)を活かし、「どうしたらチームのパフォーマンスを最大化できるか」というテーマで、スタッフの育成面に特化したコンサルティングを行っています。

私自身も事業を立ち上げる直前の仕事は携帯ショップの副店長でした。30歳を過ぎての中途採用で通信業界は初めてでしたが、入社当時は「他業種でのお客様対応のキャリアも活かせるだろう」と考えていました。

ですが、ショップ店員勤務の中でわたしが主にやっていた仕事は、店舗管理や企画、事務手続きなど、いわゆる裏の作業がほとんどでして。

自分の強みであるキャリアが活かされていない?
いや、そうではなかったんですよね…

そこは新規オープン店で、スタッフも私を含めほとんどが業界未経験者でしたが、オープンから半年で全国1位の実績を上げる店舗へと成長していきました。高い目標に向けて全員が一丸となって働いていたので、休みが少なかったり長時間労働になったとしても、大変だけど楽しく仕事をしていた人がほとんどだったと思います。
少なくともわたしにはそう感じられました。

自分を筆頭に、たいへん個性豊かなメンバーが集まっていましたが(笑)全員が「どこよりもお客様に選ばれるいいお店を作りたい」「誰からも高い評価をいただけるお店にしたい」というたったひとつの明確な目的を持って仕事をしていたように思います。

考え方の違いも、能力の差も、それぞれのペースももちろんありましたが、メンバー各々がその目的を果たすために強みを生かし、役割を果たしていました。

お店の中で活かせるメンバーの強みは全員分、上司が見つけ、それぞれ強みにふさわしい役割を任せていました。
獲得に強いスタッフ、フロアでお客様に「お待たせ感」を感じさせない対応に強いスタッフ、契約登録業務のスピードが速いスタッフ。そして「このチーム内で求められていた強み」は私の場合、それまで培ってきたお客様対応のキャリアよりも、管理能力や処理能力の方だったということなのです。

正直言うと、私自身がそれまで長いキャリアを積んできたのは、《自分ひとり対お客様》という構図でのお客様対応でした。接客スキルも販売への考え方も、「”自分が”お客様に選ばれるために」という目的を貫いていたように感じます。これは、営業という仕事の影響がかなり大きかったかもしれません。

ですが「お店」や「チーム」となったら話はまた別。
一人一人の接客がいくら良くても、販売力の高い人がいても、それはただの【点】でしかないからです。『チーム全体として』お客様から高い評価をいただくにはまだ全然足りないのだということを教えてもらった気がします。

他のメンバーの強みもそれぞれ、獲得力・丁寧な接客・スピード感・愛されるキャラ・コツコツタイプ、自己犠牲の精神、負けず嫌い、競争心や向上心など…持っている強みを生かせる、伸ばせるポジションが与えられていました。

ですから、ひとりひとりが自分に与えられた役割をどうすればもっと果たせるだろうか?と考えられていたし、他のメンバーの強みを尊敬していたし、どうすればもっと役に立てるか?というチーム目線で物事を捉えられたし、「お客様に選ばれるお店になるにはどういう動きをすればいいだろう?」という考えのもと、仕事をしていました。

これが、強いチームなんですよね。
そして同時にこれが、結果を出せるチームの在り方だなと思っています。

 

こうしたチームの在り方は、たとえば接客の上手な人が接客のできない人を責めたり、販売力の低い人が販売できる人に劣等感を抱いたり…といった全員画一型の能力育成や同じ土俵でスキルの優劣を付けるやり方では絶対にたどり着けない領域です。

スポーツチームのように一つの明確な目的があってそれを共有し、そのために一人一人にはそれぞれ異なる役割があるのだということを全員が認めた上で、個人としては与えられた役割を認識しそれを果たすことに専念しつつ、周囲のために何ができるのかを自主的に考えてスキルや技術を磨きながら、「チームとして」どうお客様を大切に考えるのか?という目線を持たないといけません。

そうすると「チームのために、お客様のために、役割を果たすために」という明確な目的が優先され、他人との優劣の比較やそこから生まれる劣等感や嫉妬といった、不要な人間関係のイザコザの抑止力となります。だから自分の役割に集中でき、高い実績が上がるチームになるんですね。

 

売上を上げること自体を仕事の目的にするよりも「○○なチームを作るため」を目的としてそれぞれに役割を与え、それを懸命に果たす。この『○○』の部分に入る言葉はチームリーダーが決めることです。ですが多くのリーダーはすごく初歩的な部分が抜けてしまっているように思います。

様々な重圧、プレッシャーの中では「会社からの評価」「メンバーからの評価」「数字が、実績が、結果を出さなきゃ」という考えになりがちですが、その中には『お客様』の存在がどこにもないのです。

それではうまくいかなくて当然なのかもしれません。

あくまでもお店の目的には「お客様を大切にする言葉」を入れ、それをチームとして成し遂げるために一人一人にどんな役割を果たしてもらえば良いのか?という目線で考えていけば、必ず、実績はついてくるはずです。

個人の強みを活かしつつ「チームとして」お客様を大切にすること。
そのために一人一人が異なる役割を果たし、それを全員が認めていること。

強いチームは必ず、ここをベースにして作られているはずです。

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