コラム

石橋を叩きすぎて壊しちゃう人の強みを活かす方法

「今日はどうして遅刻したの?」
「はい、今日も事故渋滞のせいで…今月に入ってもう3回目ですよ、事故。ホント嫌になっちゃいます!!」
「そう、巻き込まれなくてよかった。今日みたいな雨の日は事故も起きやすいからね。前回も渋滞で遅刻しているけれど今日は早めに家を出なかったの?」
「え?渋滞のせいで遅れたのに自分が悪いんですか?」
「……。」

答えに窮する上司の姿が目に浮かびます。
ただリスクマネジメントを教えてあげないと本人が困る場合もありますし、何とかしてこの部下にリスク回避の重要性を伝えたいと思うのは、上司として、もしかしたら社会人としても当然かもしれません。

いつも遅刻してくる部下にイライラするのは、社会人としての常識「だけ」じゃない

事故が起きる可能性が高い雨の日は早めに家を出ようと決める。
こういう判断を下すのは遅れることに対しての意識が高いからです。
ちなみにこの意識の高さというのは常識とか社会人としてというのもあるけれど、もっと根本的なところで「不安だから」なのではないでしょうか。

遅刻してペナルティをくらったり、周囲から冷たい視線が送られて恥ずかしい思いをしたり、その後の予定に影響が出て関係者に迷惑をかけたり、上司からこっぴどく叱られたりするリスクを負うことが不安だから、早めに家を出ることでリスクを回避し安心したい(または、させたい)と感じるのかな、と。

社会人としての常識がないというよりもリスクを負う想定がないか、もしくはリスクに対して不安がないからいつも通りの時間に家を出るのですよね、きっと。そして上司は、部下がリスクを負うことを「自分が」不安に思っているからこそ同じように感じていない部下を注意したり、怒ったりするのです。

石橋を叩く慎重派は「KY(危険予知)」能力が高い

世代間の価値観の違いや社会人としての常識などを論じていてもキリがないからここでは深掘りしませんが、私たちは《不安》を減らすためにリスクを事前に想定し、回避行動を取ろうとするという人間の防衛本能に関しては、覚えておきたい事実です。

それと合わせて特にビジネスの場では、こうした危険察知能力の高い低いが【優秀かどうか】という評価と紐付いていることも。つまり、事前に「よりたくさんの不安」を想像できる人ほどビジネスにおいて高評価を得られやすいということなのです。

ネガティブな想像力が評価されるというのは、とても面白いと思います。

いつもいつも未来に対して不安ばかりで危険を察知しているから行動できない…
いわゆる「石橋を叩きすぎる」タイプや、慎重派保守派の人たちはあまりいいイメージが持たれないかもしれませんが、実はその不安予測自体は最高の能力です。

お客様から断られるのを恐れて「何を言われるだろう?」と予測するからその【何】を考えて切り返しを用意できる。
知らないことを聞かれたらどうしよう?という不安がわき起こってくるからできる限り「知っていたい」と感じる。
時間通りに終わらなかったら?と予想するからスピードを早めたり、時間に余裕を持つように段取りを組み直す。

どれもみんな「起こり得る未来の不安」が予測できるからこそ対策を練られているということではないでしょうか。石橋を叩きすぎて「壊しちゃう」のは対策を考えられないだけで、見方を変えればキラリと光る才能。不安だらけ恐れだらけのネガティブな未来予測が得意だからこそ段取りやスケジュール管理を徹底できる。相手の反応まで全部筋書きにしてイメージし商談に臨むなどもそうです。想定外の出来事が怖かったからできるだけ「想定内」を増やそうとする。そういう意味ではメンタルの弱さすら、ちょっとした強みになるってことなのです。

石橋を叩きすぎる傾向をリスクマネジメントに活用する

経営者はみんな小心者で慎重派、そんな意見をどこかで読んだことがあります。
石橋を叩く姿勢がリスク想定を生み、対策や戦略に生かされるということかもしれません。

ときおり石橋ごと壊してしまうのも慎重が故。「未来の不安ばかり考えているから行動できない」と責めるよりも、強みを生かして起こり得る未来の不安をどう対処するのか?という思考にシフトしたほうがビジネスでも評価されます。

さらに、大胆な行動派と組んだら最強です。
ブレーキを生かしつつ推進力も伴う。自分の強みは行動力のある人と組むことで生かされる…そんな風に評価したらいいのです。
石橋を叩きすぎるのは強み。
もっと生かせる場面を考えて、有効に活用していきたいですね。

部下に「石橋を叩きすぎて壊すタイプ」を持つ上司の心構え

とはいえ、いつまでもウダウダ、リスクばかりを考えすぎて行動できない、行動が遅い部下を持つと上司は手を焼きますね。そんな時はこう考えてみるのはいかがでしょう『どうしたらリスクマネジメントにこの部下の傾向を活かせるだろうか?』と。

それこそ先述のように「君はもう少し考えてから行動しようか」と言いたくなるような大胆で行動的なタイプの人材とタッグを組むプロジェクトを任命するのも良さそうですね。お互いの強みが活かされ、弱みが帳消しになるベストパートナーになりそうです。

いずれにしても、部下がどのような思考の傾向や特性を持っているかを上司は知っている必要があります。その上で組み合わせや関わり方を考えるのもマネジメント業務の一つです。そして部下の傾向・特性を知る1番の方法がコミュニケーション。実は、冒頭の遅刻理由を尋ねるやりとり(コミュニケーション)でも「遅刻をしてくる部下」の考え方の傾向を知ることはできるはずです。「遅刻をしてきた事実をどうするか」を考えることも大事ですが、上手なマネジメントをしたいならば、遅刻の事実の裏にある「この部下の特性や傾向を知ること」の方がもっと大事です。

一緒に働く仲間の、部下の、特性や傾向を知るコミュニケーションの機会は、実は日常にも転がっているということですね。

職場のコミュニケーションを活性化させる方法

現場マネージャーと共に悩み、試行錯誤してきた6年間の人材育成におけるコミュニケーションノウハウを、実際の取り組み事例とともにご紹介。具体的な取り組み方や部下との関わりがうまくいかない理由、コミュニケーションを良くするための2つの前提など、「読めば明日、何をすれば良いかがわかる」37P資料を無料で公開中。
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