チーム創りコラム

「いつも通りの対応」でお客様を逃していないですか?

待っているお客様を眺める店員

お客の立場でさまざまなお店を利用すると、いろいろなことが見えてきます。
・待ちのお客様で溢れてる…みんな忙しくて余裕なさそうなお店だな
・丁寧に接客してるけど、時間かかりすぎじゃないかしら
・スタッフ間の連携が取れていて、気配りも細やか!
こんな風にお店を見てしまうのは、いわゆる職業病でしょうかね。

「お客様をお待たせしている状況」というのは、お店のスタッフにとって心苦しいものですが、どんな心構えで、どんな姿勢でその状況を迎えるのかによって、対応は全く異なってきます。

ある大型生活雑貨専門店の場合

以前、出張時に急遽衣料雑貨を買わなければいけなくなり、某有名生活雑貨専門店で買い物をしました。そこは駅ナカの立地、しかもちょうど休日で店内は混雑していて、ある程度予想はしていたけれどレジは大行列。15人ほどの列の最後尾に並びつつ気持ちはゲンナリ。

前に並んだ人たちの手を見ると、ほとんどの方が少量の品物を持っていて、これならそんなに長くはかからないだろう…と予測をしていると、「思ったよりも」時間が経ち、ソワソワしてきちゃいました。

ふとレジの方を見ると、
・4台中3台のレジが稼働、それぞれのレジに1人ずつの店員が対応
・レジの後ろには背中を向けて何やら作業中の店員が2人
・バックヤードと売り場を行き来する店員が数人レジを素通りしていく
・手を止めてお客様の目を見ながら「ポイントカードお作りしますか?」と確認
・サッカーが非常にのんびり(に見えた)

レジの方はどのお客様にも終始笑顔だし、素通りしていく店員もにこやかに「いらっしゃいませ」と去っていくのですが、その笑顔が逆に腹立たしく感じてしまう(失礼…)「この行列、見えてないの??」と、ついツッコミたくなってしまいました。

待っているお客様が見えていないの?

店員さんたちの対応は”いつも通り”なのだろうと思います。ちゃんと笑顔で、ポイントカードの訴求も行い丁寧に袋詰めをする。他の作業をしている店員さんもおそらく「自分の仕事」をやり遂げようとしています。

レジを扱えないスタッフしかいない状況、ひとつのレジに2人入ってはいけないルール、レジの後ろでは緊急の作業をしている、ポイントカードの訴求が漏れたら上司から怒られる…など店側の背景や事情があるのかもしれませんが、少なくとも混雑時のレジに並んでいる多くのお客様にとっては「知らんがな!」ですよね? 

かなりイライラしながらあと1人でレジに入れるというタイミングになった頃、バックヤードから1人の店員さんが出てきてもう1台のレジを開けました。「やっぱり、空いてる人いたんじゃん」とか思っちゃいましたよね(爆)

こういう状況の時にお客の立場のわたしは「混んでいるのだから仕方ないよな」なんて思えるタイプではありません。混雑していてもできることはかなりあったはず、と逆に厳しい目になってしまいます。笑顔を見せつつも手は素早く動かす。応援を呼びかけレジでの対応を優先させる。副商材の訴求はまとめて「手を動かしながら」伝える、などの「混雑時用の対応」をやっぱり求めたい。

混雑時こそ的確に指示を出す司令塔の役割を果たす人が必要なはずですが、状況を客観的に把握している人は誰もいなかったように見えました。たとえ誰か1人であっても、視野を広く持って柔軟に対応し「これは、できる限りの対応をしてくれているのだろう…」と思えて初めて、お客様は、混雑も行列も、時間がかかることも受け入れられる、と思うんですけどね。

「こんな対応なら他の店でもいいや」って思われないでしょうか?今の時代、お客様に一度でもそう思われたら、どんなにいい商品を売っていても、どんどん離れて行く気がします。だって情報や商品や買い方は他にいくらでもあるのですから。

接客フロアの全てを把握するリーダーの重要性

お客様対応には、柔軟性が必ず求められます。
ルールやマニュアルがあってもそれとは異なる臨機応変な対応が必要なときもあるし、店側の事情を引っ込めてお客様の利便性を優先させるのが必要なときもある。

その判断を下すのは、広い視野を持って状況を把握するリーダーの力です。観る力、観察力がもっと必要ではないでしょうか?

大きいお店も、小さいお店も、有名でも、コアな人気店であっても、お客様から求められるものは、さほど変わりません。
商品も対応力においても、より多くのお客様にファンでい続けていただくために、広い視野で店内の状況をよく観て、状況に応じて対応を変化させないといけないですね。

接客スタッフ一人一人に必要な「心構え」

「あの人はいつも目の前のお客様に集中してしまうので、お待たせしている別のお客様のことを考えることができない」こうした問題はサービス業店舗でわりと頻繁に起こっているようです。また、商談や提案など売上に直接関わる仕事に没頭するあまり、報連相やお礼の電話、メールなどの連絡がおろそかになってしまう。こういうケースはどんな業種でも実はよく聞かれる悩みのひとつです。

何が問題だと思いますか?

経験不足からくる視野の狭さやキャパの小ささなどの課題が出るかもしれませんが、私が考えるひとつの原因は「その人本人が”待つこと”が苦ではないから」だと思います。

顧客目線で考えられない人に足りないモノ

顧客目線に立って考える。つまり、想像力を働かせてお客様がどうされたら嬉しいか?を考える場合は、まず自分の体験が基になるはずです。自分がされて嬉しいと思って初めてお客様が喜ぶ姿を想像できるし、自分が感動をして初めてお客様の感動を想像できる。自分がされて嫌なことだからお客様にもしないように心がける。という感じです。

では、「待つことが苦ではない」と感じている人が待っている人の身になって考えられるでしょうか?待っている人の気持ちを想像し、どうされたら嬉しいかを本当の意味でイメージできるでしょうか?これは意外に難しいはずなんですよね。

何かを売る、サービスを提供する側として、ファンを作りたい、信頼関係を築きたい、喜ばれるものを提供したいなど顧客を大切にしたいなら、さまざまなお客様のことをイメージする力が必須です。そしてそのためにはまず「自分が大切にされる」ことを素直に受け取れる状態になることも大切ではないでしょうか。

さまざまなタイプのお客様をイメージするために、いろんな視点で「大切にするとはどういうことだろう?」ということを繰り返し考えながら日々の生活を送ってみる。 いや、もっとシンプルに言えば、訓練するとか習得するというよりも「体験を重ねること」で身に付いていくものなのかもしれません。

たくさんの「嬉しい」体験がお客様を喜ばせる対応に繋がるし、
たくさんの「嫌だ」と感じる体験がお客様の不快を感じ取りそれを防ぐ(または軽減する)対応に繋がる。

実体験が多いほど感覚が研ぎ澄まされて想像力が豊かになり、お客様の立場で考える力が育ちます。

「受け取りベタ」な人は、視野が狭くなる

ここで課題になってくるのが「受け取りベタ」です。セルフイメージが低いと自分が大切にされる状態を素直に受け入れることができなくなります。「いやいや、私なんかのためにすみません」「少しくらいなら我慢すればいいや」みたいに反射的に感じてしまいがち。

自分がお客様の立場になった時をイメージしてください。心当たりはありませんか?
受け取りベタの人は大抵【いい人】を演じます。周囲に受け入れられない不安を持っているからです。「自分なんかのために」「自分が我慢すればいい」という感覚がまさにそれ。過剰な【いい人】は店側の立場になっても、不安の気持ちから「目の前のお客様に集中してしまう」状態を作り出します。

顧客目線を養うためのトレーニング

自己概念(人それぞれが持っている価値観)など関係ないと思うかもしれませんが、それこそが視野の狭さやキャパの小ささを生む要因のひとつなのです。自己概念を変えていくには時間がかかりますし知識や技術も必要ですが、その中でも顧客目線を養うことは可能です。

たとえばサービスやおもてなしにはまず第一声で「ありがとう」と口にし、素直に受け取る心がけをしましょう。そして我慢や抑圧を一切捨てた時「お店で待たされる」ということがどんな嫌な感情を生むのか体験してみましょう。

文字通りお客様の立場になって多くの体験を積む。そのお店の接客を観察する。
こんな習慣を身につけるだけでも全然違いますよ。

まとめ

どの業種・職種でも人手不足が深刻な時代、少ない人数でお店を運営しなければいけないのはどこでも同じです。その中でお客様は「ここのお店」を選んで来てくださっている。その時に「他と同じ対応」「いつもと同じ対応」をしていたら、「どこの店でも一緒か…」と、お客様は簡単に離れていってしまうのです。

顧客目線、お客様第一、昔から言われることではありますが、「自分のことで精一杯」ではいつまで経っても「他と同じ対応」しかできません。

そのためにも、目線を広げ、視野を高く持ち、自分と周囲を客観的に「観る」ことができるように訓練していきましょう。それが、お客様から選ばれるお店、選ばれる人づくりになるはずです。

 

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