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コラム
4.132019
【販売員の能力開発】ゴールは「売ること」ではありません

営業時代は色々な商材を扱い、全国各地を飛び回っていました。
これでも『売る』ための努力はトコトンしていたつもりです。商品知識を入れる、商品を好きになる、商品を愛用するなどから始まり、トークスキル、トークテクニック、心理学・・・etc
ですがこれらは『売るため”だけ”』の努力なんですよね。
商品が売れること、契約が獲れること、このために仕事をするのが営業であり販売ですが、本当のゴールはもっと先にあるのではないでしょうか?
ゴールを間違えて設定すると、そこにたどり着くルートも異なってきます。
特に営業や販売などの業種で「売ること」だけを目的に置いてしまうと「プレッシャー」「やらされ仕事」「数字の魔力・地獄のループ」などに繋がり、不正や過労、極端な競争心や嫉妬などから起こる人間関係の問題などへ発展し、あっという間に「働きにくい仕事・職場」へと転落していきます。
では、正しいゴールはどこに置けば良いでしょうか?
Contents
ゴールは、契約や販売の「先」にある顧客の行動
私たちが考える本当のゴールは、商品を購入してくださった、契約してくださった『顧客』から【紹介をもらうこと】です。つまり、お客様に、売り手の、お店の、その会社の『ファン』になってもらうことだと思っています。
それはちょうど、自分が美味しいと思ったラーメン屋を友人に教えるような感覚です。紹介したいということは、そのラーメン屋のファンになっているということですから、当然リピートもします。「また行きたい」と思っていて、さらに「誰かにも勧めたい」と思っている状態です。
「買ってくれる顧客」になっていただくだけではなく、「紹介してくれる顧客」になっていただく。
そうすることで、顧客(ファン)が顧客を呼ぶ、顧客連鎖に繋がっていくのです。
モノやサービスを売る人、売るお店であれば、目指すゴールはここであるべきだと考えます。
どうやって「紹介したい」と思っていただくか?
成約や購入後のお客様に、どなたかを紹介していただくことをゴールに設定しますから、ただ単に購入や成約を目指すだけでは足りません。更に1歩踏み込む必要が出てきます。それが『拡散力の高い方法で認知を広げる』『顧客からの信頼を得る』というステップです。
『発信』することで認知を広げる
皆さんはSNSを使っているでしょうか?積極的にやっている人もいれば、閲覧のみでやっている人と様々です。
Twitter、Instagram、mixi、Facebookなど色々とありますが、最近では、お店でも取り入れている所が増えてきました。
無料で情報発信ができる所が凄いですよね。しかも、全国に更に更に、拡散されたなら、あっという間に全世界にまで広がります。ちょっと前に有名になった「アッポーペン」などは、ある有名人が呟いた事で全世界に広がり、再生回数が2億を超えたとか。一昔前なら、新聞や雑誌に載せたり、CM流したりとお金と手間を掛けていたのに便利な世の中になりました。
もちろん、良い事やお店の宣伝になるのであれば大歓迎ですが、ある個人の感情などで、悪く言われてしまったら収拾つかなくなり炎上なんてことも…無料で手軽で便利という裏側にある怖さかもしれません。それは、どんなにSNSが流行って、どんなにSNSが便利でも、いくら綺麗に撮られている写真でも、いくら良い表現でお店のサービスを語ったとしても、文字や写真だけでは『伝わりきらない部分』があるということ。
伝わりきらないのは、文章や写真には魂をこめる事が難しいからです。
いくら便利な世の中になったとしても、目の前にいるお客様に対応するのは、私であり、皆さんです。
そう考えるとやはり、『人の口』から発信された『口コミ』が一番強くて効果があると思っています。SNSが、人から直接聞いた『口コミ』には敵わないと信じている理由の一つが、体験した感想が、文字だけではなく、言葉や表情でも伝わる点です。
これまでにもお伝えしたことがあるかもしれません、『言霊』。人が発する言葉には魂をこめる事が出来ます。
『言霊』は聞いた人の心を揺さぶる力があります。
『口コミ』で伝わるものには、その人の『言霊』が幾重にも重なり強大なパワーとなって広がります。だからSNSよりも宣伝効果が凄いのです。
もっとも宣伝効果の高い『口コミ』を武器にする
強大なパワーですから当然、悪く伝わりやすい一面もあります。
皆さんには、家族や友人、知人がいると思いますし、その家族や友人、知人にも家族や友人、知人がいますよね?
私は昔「1人の人間の後ろには200人の人脈がいる」と教わりました。
その200人の人脈に「悪い口コミ」が広まれば…そのパワーはあっという間に拡散され、どこの誰が言うよりも説得力のある話として良くない噂が広まってしまう可能性もあるのですね。
今、皆さんの目の前にいるお客様は、たった1人かもしれません。
その目の前のお客様だけを見て接客するのか?
それとも、後ろにいる200人の人脈も見て接客するのか?
これをほんの少しの意識するだけで、今までの接客はちょっと変わってくるはずです。
目の前にいるお客様への対応だけで「お店を良くしよう、売り上げを上げよう」は叶いません。まだ目に見えてない誰かに、まだご来店されていない誰かに、皆さんの接客やサービスを伝えていくつもりで取り組まないといけないのです。一番の宣伝効果があり、かつ、無料でできる『口コミ』を最大の武器にするには、「どんな『口コミ』をされる接客をするか」を考え、「目の前のお客様の後ろにも、無限の人脈があると意識する」というところから始めることが必要です。
顧客の信頼を得るための『言霊』の使い方
アーティストの魂が宿った歌声に心が震えた経験があることでしょう。
皆さんのお店に、1日に何組のお客様がご来店されるかは分かりませんが、 その1組1組に魂を宿した挨拶をすることは、歌声に心が震えるのと同じような影響をお客様にご提供できると思っています。
皆さんの『いらっしゃいませ』『ありがとうございます』には魂が宿っているでしょうか?
簡単で単純な挨拶の言葉にすら魂を宿せなければ、お客様第一、顧客満足度などは語れません。「ながら挨拶」などでは、とてもじゃないですが魂を宿せるとは思いません。まずは、魂を込めた挨拶で、接客するスタートラインに立つところから始めないといけませんね。
また、その言葉には魂を宿すだけでなく、方向性も大事です。
方向性とは読んで字の通り、その言葉を「どちらに向けて」放つかということ。いくら魂を宿しても、上や下、もしくは誰もいない方向に放っても効果は薄いです。
魂を宿した言葉を誰に向けるのか?といえば当然お客様ですが、まずは目の前のお客様に向けて、 皆さんの魂を宿した言葉を解き放ってみましょう。アーティストの歌声に心震えたように、 お客様にもきっと届くはずです。そして目の前のお客様に届くということは「紹介したいと思っていただける」ということではないでしょうか?そうなれば、目の前のお客様の後ろにいる200人の人脈にも届けられる可能性があるということになります。
全員が『ファンを作ること』をゴールに置いて仕事をしたらどうなるか?をイメージする
チームのスタッフ1人1人がこれらを意識し、実践出来た時、そのお店の雰囲気は?お客様の反応は?そして何より、スタッフの気持ちはどうなっているでしょうか?考えるだけでワクワクしませんか?
まずは今すぐにでも始められるお客様対応の第一歩、挨拶から始め、発するすべての言葉を魂を宿した『言霊』にしてお客様に解き放ちましょう。後ろにいる200人に向けて心を込めた『いらっしゃいませ』『ありがとうございました』を届けられる人は、そういう人が集まるお店は、「また来たい」「誰かにも勧めたい」と思ってくださるお客様が必ず増えるはずです。
私たちは店舗OJTを通して「顧客のファン化」をゴールに置いたチーム創りやお店創りのお手伝いをしています。
どれだけ多くの方にファンになっていただけるかを常に考え、学び、実践するスタッフを育てるプロジェクトを立ち上げ、共感してくださる企業さんとともに運営しています。
SNSでの発信、口コミでの拡散の提案はもちろんのこと、そのための『心を込めたお客様対応』ができる人づくり、お店づくり。皆さんのお店でも取り入れてみませんか?(導入事例など、詳しくはぜひこちらをご覧ください)