働く人と切っても切り離せない関係にある不満や悩み。
整理してみると本心が現れて、本心が見えたら解決策が浮かんでくる…
こんな流れで不満を解決するステップを考えてきました。
不満を解決するという表面上のものだけではなく、本心を満たすために不満を活用するというやり方をお伝えしてきたつもりです。
自分の本心を満たすための考え方には、ひとつ重要なポイントがあるので、今回はそれをご紹介していきます。
前回までで、「自分は本来何をするべきか」という
不満に隠されていた「本来やるべきこと」に気づけた、管理職の相談者。
ここからは、最終ステップ
具体的に、今、何を行動すれば
自分の本心(願望)が満たせるのか
を考えていきます。
このときに考えるべき大事なポイントは
自分がwinになると、
相手もwinになれるはずだ!と考えること
「7つの習慣」の「Win-Win」の法則ですね。
私が非常に大事にしている考え方のひとつです。
それまでは、
「自分が犠牲になって初めて、相手が満たされる」という考え方がベースにあった彼。
▼ 自分がやりたくない仕事をすれば、相手が楽になる
▼ 自分が遅くまで仕事をしていれば、職場の雰囲気が悪くならない
など。
これは7つの習慣で言われるところの、「Lose-Win」ですね。
この考え方を変えることができないと、
具体的な策を練るにしてもそれはやっぱり自己犠牲の上に成り立つものになってしまいます。
自分の本心で行動して自分のやる気が出れば、
もっと相手に貢献できる、相手のためになれる、役立てる。
そのポイントはどこだろう?
この考え方をベースにして、具体策を練っていけばよいのです。
今回の相談者には、こう考えてもらいました。
1)目的を意識する
何のために、仕事をしているのか。
どういう結果(成果)が欲しくて、仕事をしているのか。
2)今の状況の中でも、楽しいと感じることを思い出す
本気になって、夢中になって取り組んでいることや
成果を感じられて嬉しかったこと、集中できる楽しい時間など
3)相手が変わらない、状況がよくならないのはなぜか?(自分側にできることはないか?)
まず、相手や状況はともかくとして、
自分からアクションを起こしていたか?
問題解決のアプローチや、アドバイスができていたのだろうか?
4):1と2と3の融合
自分が持っている目的のために(1)
自分側にできること(2)を、
今自分が楽しいと感じること(3)で、
解決できる方法、行動とは何か?
彼は、見事に答えを出しました。
「部下一人ひとりと話し合いをすることで、部下にきちんと仕事を依頼する、士気を高める、部下の悩みを解決するアプローチをする」
「拘束されていた勤務時間を短くすることで、そのための策を練る時間を取っている、と公言する」
などなど。
具体的な案、それも
自分も、部下も、満足するための具体案
を引き出すことができました。
数ヶ月間も悩んでいた彼は相談後
「モヤモヤしていた霧のようなものが、すっきり晴れたような気がします」
と、顔つきが変わって、やる気に満ちていました。
いかがでしたか?
仕事をする上で必ずぶつかる、不満や悩みは整理して、本心をあぶりだして、具体策を考える。
段階を抑えたステップを踏みながらあなたの不満を、ただの不満で終わらせないようにしましょう。
考え方を知れば、不満は本当の満足へと変えていけるのです。