『一方聞いて沙汰するな』

自慢じゃないのですが、私は日本史にとても疎いんです。学生の頃あまりに勉強をしたくなくて、唯一赤点をとった科目も日本史。
泣くよ(794)うぐいす平安京とか、いい国(1192)つくろう鎌倉幕府とか(これも今や見解が異なるらしいですが)、生稲(1917)晃子はロシアで革命とか(これは世界史だ、笑)テスト用の暗記だけは今でも頭に入っておりますが、ひとつひとつの出来事がどうつながっているのか?誰がかかわっているのか?そういうことには全く興味がなくてですね…

ところがここ数年、NHKの大河ドラマを見るようになり、幕末あたりにはすこーし興味が湧き始めたんです。
これまでにハマったのは「八重の桜」。これは地方は違えど、私の地元福島県は会津藩が舞台。そして最近のマイブームは「篤姫」。どちらの大河ドラマも幕末に活躍した女子が主人公のお話です。

どんな苦境に立たされようとも、運命に翻弄されようとも、自分の信念に基づき、まっすぐ前に進む女性にはいくつになっても憧れます。
特にこの2本のドラマは、会津魂・薩摩魂を信念とする主人公が印象的です。
フィクションが含まれているとはいえ、幕末の政治に深く関わっていく彼女たち。私の現在のマイブームである「篤姫」は目まぐるしく変化していく情勢を自分の目で確かめる際に、彼女の産みの母である「お幸」の教えを忠実に守ります。
それが『一方聞いて沙汰するな』という教えでした。

まつりごとには相反する意見がつきもの。片方の言い分や考えだけを聞いて判断するのではなく、両方の言い分をしっかり見聞きし、その上で結論を出しなさいというものです。
ここんとこ、胸にグサリと突き刺さるものがあります。ついついその時の自分の感情や正論などが邪魔をし、一方の味方のようになってしまいがちだから。どちらの言い分や考えもきちんと考慮した上で「自分はこう」と考えを決める。これってなかなか難しいことなんですよね…

仕事となればなおさらかもしれません。長年の慣習や一般論や派閥、また「自分の」経験だけに基づいた正論など事実を正確に判断するのはますます難しくなっています。
…と、小難しいことは置いておくとしても「自分はこう」を決めるときに、偏った見方で判断をしがちな自分をやめる。たとえそうは思っていないとしても、なにかを判断するときにはその前にどちらの言い分も聞くようにする。
これはなかなか、強い意識が必要です。一方聞いて沙汰するのは、ほぼ無意識な習慣ですもんね。

 

篤姫もつい最近、最終回まで観終わりました。次はどの幕末モノにしようかなぁ…今年の大河も西郷どんだしなぁ。昔の日本の心構えは、古臭いものばかりではないんだな。現代だからこそ真新しい学びになることもたくさんあるのです。
私の日本史ギライもたいがいにしないといけないかもしれないですね。

 

 

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