新人に一番最初に教えたい「ミスした時のカバーの仕方」

「失敗から学べ」
私が若い頃は先輩からこんな風に教わりました。
教えの通り、たくさんのミスや失敗をしてきました(笑)ヘタしたら損害賠償という大きなものを含めて、笑って許されるものを入れたら無数です。

ですが数多くの失敗を経験することで、たとえ失敗してもカバーができるということを学べます。カバーできるからミスをしても大丈夫と思えるようになるのは経験の差ですよね。

その点、経験の浅い人は失敗の数も多くはありません。「失敗してはいけない」とプレッシャーを感じています。新人教育にあたってはこの不安を最初に取り除いてあげるのが大切です。

要するに「失敗しても大丈夫。一緒にカバーするからね」ということ。

そしてそのカバーの流れも事前に頭に入れておいてもらえば、プレッシャーから言い訳をしたり、ミスを隠そうとしてお客様に迷惑をかけることも少なくなると思いませんか?今日は、新人にぜひ最初に教えたい「ミスをカバーするとき大事なポイント」を3つに絞ってお伝えしようと思います。

【ポイント①】ASAP(できるだけ早く)

ミス後のカバーのコツは何と言っても気づいたらすぐ対応ですよね。後回し、隠すこと…これは単なるミスを「問題」へと発展させます。できるだけ早く対応することが何よりも大事だから、ミスをしたことがすぐにわかるように報告してほしいと伝えておくのが大切です。

社内処理だけ、その場で謝罪するだけで解決する場合もありますし、あとから気づいた場合にも気付いたその場で先方にご連絡を入れるのがセオリー。いずれにしても気づいた段階で隠さずに、いち早く対応するのが何よりも大事ということを繰り返し教える必要があります。

【ポイント②】お客様のお話を正確に聞く

ミスに気付かないままお客様からご指摘を受ける、いわゆるクレームになった場合には、お客様がお怒りのことも多いですよね。経験の浅い新人が最も恐れる事態かもしれません。できるだけすぐに助けを呼ぶことを教えます。

もしも自分で対処しなければいけない状況になったら、ひとまず冷静にお客様の話を聴くことに徹底すると指導しましょう。ご申告をいただいたということは、お客様は何かしらの対応を「望んで」おられます。この段階での対応はまずその「望み」を聞き出すことなのだと理解させてあげます。

お客様のお話に、割って入らず、腰を折らず、否定せず、復唱し、確認して正確にヒアリングします。「おっしゃる通りです」と相槌を打ちながらお話を伺えば、お客様自身も会話の中でご自分の気持ちを整理できるので、話だけで解決できることも案外多いことを伝えてあげましょう。

【ポイント③】謝罪は対面→電話→手紙の順(重ねてもよし)

おそらく新人さんがここまで対応することはありませんが、カバーの流れとして伝えておきましょう。

謝罪の気持ちを伝えるときは早い段階でお客様にお会いして、がベスト。お客様に来ていただくのではなくこちらから出向くことをまずはご提案します。その上で「いや、じゃあ行くから」とお申出いただくならOKです。

きちんとお客様の目を見て「申し訳ありません」と誠意をもって伝えるだけでお客様のお怒りの気持ちが鎮まることも多いですが、電話やお手紙では誠意を正確に伝えるのが対面よりも難しくなります。

早めにお客様にお会いした上で電話やお手紙を添えるなら相乗効果を期待できます。これが収束への一番の近道なのだと理解してもらいましょうね。

新人に何よりも理解してもらいたいのは、早計な自己判断は問題を大きくするため真っ先に報告をしてほしい、それが会社の求めていることであり、お客様のためであるということ。

ミスをしたときには「自分のせいで申し訳ない」と報告するのを避けたくなるけれど、解決の具体策を望んでおられるお客様の気持ちを優先させることが大切なことをぜひ理解させたいですね。「ご迷惑をおかけしたという事実は誠意をもって一緒に謝罪すればいいのだから」と、一緒にカバーをするからミスを怖がらなくてよいことを伝えてあげましょう。

さらに言うと、解決のステップをちゃんと踏むことさえできれば、ミスがきっかけとなって自分のファンになってくださるお客様に出会えることもあります。そういうお客様ほど長いお付き合いになるのだ、ということも教えてあげたいところです。

ミスを頭ごなしに叱ったり、指摘ばかりする先輩は今の時代は少ないとは思います。そんなことをしては新人はすぐに辞めてしまいますから。

大切に育ててあげたいのであれば、新人が必要以上に失敗を恐れることでお客様にご迷惑をおかけすることのないようにきちんと指導し対応するのは、新人の仕事ではなく育成者側の仕事なのだということを忘れないようにしたいですね。

 

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