「褒める」では部下は育たない

『褒めてやらねば人は動かじ』山本五十六先生の有名な金言です。
褒めることは非常に大事で、怒られることよりも人は褒められることで伸びるといいます。

しかし、この「褒める」という行為は実は、長期的に見たら、相手にとって良くないことだというのをご存知ですか?

なに!?と思う方もいると思いますが、そこには理由があります。
この「褒める」という行為は実は上下関係で成り立っているのです。

上下関係で成り立つ「褒める」行為

例えば

「できたね、すごいね」
「やればできるじゃないか!今月もよろしく頼むぞ!」

この文章を見て、「どの立場の人が言っているか」おわかりになりますか??

そう。言われている相手より立場が上の人です。

もしこれが逆転して、部下が社長に言っていることだとしたらどうでしょうか??明らかに不自然になりますね。というよりもヘタしたら怒られます笑

上記のように「褒める」というのはあくまで、「上の立場からの感謝の言葉」になります。

ではなぜ「褒める」ことが長期的に見たら良くないかというと…褒められる=「結果」や「成果」になるからです。さらに常に「褒められる」ことを求めてしまい、褒められることでしか自分の価値を感じられなくなってしまうからです。

例えば仕事では、初めて出来た時はみんなが「褒めて」くれる。しかしそれが「当たり前」になると、「褒めてもらえなくなる」他の人は大した成果じゃないのに「褒められる」。しかし自分は他の人よりやっているのに「褒められない」

褒められなくなる▶︎価値がない▶︎やる気がなくなる
といった負の連鎖を招く可能性が生まれてしまうのですね。

ということは、褒める側は常に「褒め」なくてはならず、褒められる側は常に「褒められ」なくてはいない。褒められるためには、常に「結果」を出し続けなくてはいけなくなる。これが褒めることの危険性です。

ではどうしたら良いか?

それは「褒める」から「感謝」に変えることです。

「よくやった」を「ありがとう」に

「すごいぞ」を「助かっている」に

「やればできるね」を「信頼している」に

変えれば良いのです。

上司は、部下の承認欲求を満たすのではなく、部下の自己肯定感や他者貢献感を満たすように工夫する必要があるのですね。

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