主観的になりがちな思考を客観的な視点から見る方法

私にも、人生におけるメンターと呼べる人が何人かおられます。
彼らの発する言葉から、生き方から、表情から、ときには黙ることから多くを学び、
今の自分を作り上げているたくさんの大切なものをくださった人たちです。

以前の私は些細なことでもすぐに考え込むタイプでした。
といいますか、難しく考えすぎてしまい、思考がぐちゃぐちゃになってしまうという感じ。
いわゆる「どうすればいいかわからない」状態。
メンターにも本当によく(しつこく)相談していました。

 

こういう時、あるひとりのメンターからいつも言われていたのは
「あなたにとって一番大切な人から同じ相談をされたら、どう答える?」とか
「この状況で、私はあなたに、なんて言うと思うか想像してみて?」とか
「あの人だったら、どう考えると思う?」など主語をVQから【誰か】に置き換えて、同じ状況をイメージするための質問でした。

これ不思議なことに、あれだけウダウダ考えていたのにもかかわらず、主語が自分でなくなるだけでスラスラ答えが出てきたりするんですよ。

 

「あの人だったら、こんな風に考えそう」
「この人に相談されたら、こう言ってあげると思う」
そう、メンターに答えるとたいてい
「それじゃ、あとはその答えを自分に言い聞かせて受け入れるだけだね〜」と笑って、話が終わるのです。

本当に難しいのはそこなんですけどね。
大体の場合、答えなんてもう出ていてね。受け止められないから悩んでるのだから(笑)
けれど、後になって考えてみれば「そんなのは悩みどころではない」と教えられていたのだと思います。

ウダウダ考え込んでしまうような時は、思考が主観的になりがちです。
今までの経験、自分の価値観、習慣、自分から見た他者…などおおげさに言えば「世界の中心はワタシ」くらいの感覚で物事を観ている。

その世界の中心を【誰か】に置き換えてみる。
これが客観的に物事を見る一番身近な方法なのかもしれません。
その客観的な視点こそが、状況を変える一番最初のステップなのだと思います。

 

あなたが一番大切にしている人、尊敬している人、助けたいと思う人。
こういう人を主語にして今の悩みを観てみたら、答えはわりと簡単に出てくることもあります。
大切なのは、できるだけ客観的な視点を持とうと努力することと、出てきた答えを受け止めようと努力すること。

人の助けを借りながらでももっと大きな視点で考えなさいよ〜というメンターの教えが、この歳になってもなお、ズシンと響くのです。

 

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