「何回も言ってるのに…」「それ昨日も言ったのに…」
何で分かってくれないの?何で理解してくれないの?何で動かないの?
「言った」=「伝わる」ではない
『言った』のに、自分の思いや言葉が相手になかなか通じなかったり、理解されなかったり、思い通りにいかなかないと、イライラしてストレスを溜めてしまうものです。そして気付かないうちに、それを相手のせいににしてしまっている自分もいるかもしれません。
人に何かを伝える時に使うツールに『言葉』があります。言葉を使って、相手に物事を『伝える』のですよね。そう!『言う』のではなく『伝える』のです。
『言った』=『伝わった』の方程式は成り立ちません。
『言った』だけでなのに『伝えた』つもり。
『言った』から『伝わった』と思い込む。
これらがコミュニケーション崩壊につながり、信用・信頼関係に少しずつ亀裂をいれていきます。
『つもり』のコミュニケーションでストレスを溜めるのではなく『伝わってない』理由を自分に向けてみると『伝え方』や言葉のチョイスも変わってきます。
他者の信頼を借りて「伝える」
例えば、「誰かの信頼を借りる」というのもひとつの方法です。
私はそれを「信頼泥棒」と呼んでいるのですが、信頼泥棒とは読んで字の通りで、他人の信頼を盗むことです。
「盗む」を辞書で引くと、ひそかに他人の物を取って自分の物にする、の意。
おいおい物騒な!!って思ってしまいますが、ここではそれ以外の意味で使います。
それが、他人の技・芸や考えをひそかに、また無断でマネる、の意。
既に信頼のある誰かから、信頼を借りてくると言うことです。この方法を使えば、 相手との信頼関係を強化することも可能になります。さらに 誰でも簡単に今すぐに出来てしまうところが凄い。
あのルパン三世や鼠小僧に弟子入りいなくても、 簡単にできてしまう盗みのテクニックです。そのテクニックが『信頼ある著名人の言葉や本に書いてある言葉を引用する』こと。
たいていの人は『自分の言葉で伝えるのが大事だ』『他人の力を借りずに頑張りたい』『自分一人で成し遂げたい』などのように感じています。
ですが、誰でも完璧な人間ではありませんよね?
得意・不得意があり、簡単にできることもあれば、努力してもできないこともあります。これって、ごくごく普通のことです。
その当たり前の事実を受け入れた上で、自分に足りない物は『他の人や物で埋める』という発想が本当に大切になってきます。
信頼泥棒をして「伝える」方法
たとえば。
『目標を達成したいなら、しっかりとした準備が必要だよ』と自分の言葉で伝えたいときは…
「メジャーリーグでも活躍したイチローもこう言ってます『しっかりとした準備もしていないのに、目標を語る資格はない』と」
『失敗したことから何を学ぶかが大事だよ』と自分の言葉で伝えたいときは…
「あのビルゲイツもこう言ってます『成功を喜ぶのはいいが、もっと大切なのは、 失敗から学ぶことだ』と」
このように著名人の言葉を付け加えることで、随分と説得力が増して、 自分の言葉や意見を受け入れやすくなると思いませんか?ついつい『あのイチローやビルゲイツも言っているなら』と思っちゃいますよね。
信頼を獲得する為に、色々なところから『信頼を盗む』『信頼を借りてくる』工夫をしてみましょう。著名人の名言でも、本でも、マンガや映画のセリフでもいいのです。こうした工夫により自分自身の「伝える幅を広げる」ことで、『言った』ではなく『伝わった』になっていくのではないでしょうか?
最後に
人間の集合体が組織となり、会社となっています。そのコミュニケーションの一つに会話があります。
今では、SNSなどで相手の表情など気にせずにコミュニケーションが取れる時代です。ですがどんなに便利な世の中になっても、言葉を使ったコミュニケーションは一番大事だと思います。
みなさんは、自分の言葉にどんな想いを乗せて、目の前の人に何を伝えますか?