嫌いな上司、苦手な上司、その中身20選。部下が上司に望む小さなお願い

ある調査によると、4月入社の新卒社員に対し6月に実施したアンケートで「転職を考えたことがある」と回答した人はなんと過半数を超えたとか。さらに驚くべきことにその理由の第1位は「人間関係」だということです。たった2ヶ月で、どのような人間関係が嫌になってしまったのでしょうか…

新入社員だけではなく、会社に入れば誰もが上司・先輩との関係性を築くことが必要です。その中で「ついていけない」「あの人が苦手」「上司が嫌い」と関係性に悩むことが全くない人はいないはずです。せっかく入社した会社です。上司や先輩との良い関係を保ち、安心感のもとで楽しくパフォーマンスを発揮したいですよね。

最初の話に戻りますが「どのような人間関係が嫌になるのか」を少し掘り下げて考えてみると、部下から見た上司の姿には、上司が伝えたいこと醸し出したい雰囲気と全く違う印象があることがわかります。つまり伝わり方にエラーが生じている。上司からすれば「そんな意図はなかったのに」と思うところを部下はきっちり拾い、勘違いをしたり思い込んだりしているようなのです。その結果「嫌いな上司」になってしまう。

部下から見た上司の姿、少し覗いてみますか?

苦手な上司の嫌なところ20選

繰り返しお伝えしますが、上司の側に「そんな意図はない」ことがほとんどです。ただ裏を返せば自覚なく部下に嫌われていく、とも言えますが。「仕事に好き嫌いの感情は関係ない」そうおっしゃりたい気持ちもわかります。でもここはまず部下はどんな風に上司の姿を捉えているのだろう?ということを「どれどれ?」と客観的に見てやって欲しいのです。

心の準備はいいですか?怒ってはいけませんよ?
それでは「部下から見た”上司のこんなところが嫌だ”20選」まいります。(20個もあるの?)

・自分の言いたいことだけを言って部下の話を聞いてくれない 
・空気が読めない 
・責めてばかりくる 
・責任逃ればかり 
・筋が通らない嘘をつく 
・自分一番 
・権力でねじ伏せる 
・ずる賢い 
・言っていることとやっていることが違う 
・自己中 
・上手く逃げているつもりの人 
・協力しない 
・言ったことに責任がない 
・部下を大事にしていない 
・部下に平等ではない 
・目的がわからない行動や言動 
・約束が守れない、忘れる 
・気分屋 
・適当で中途半端 
・何を考えているかわからない 

ふぅ…いかがでしたか?「ほう、君はそんな風に私のことを見ていたのかね」と多少こめかみのあたりをピクピクさせながらも冷静に眺められたでしょうか?

これを眺めながら「こっちの都合も知らないくせに」とか「じゃあお前が上司になってみろ」とか、逆に「自分はなんてダメだのだろう」とか「上司やるなんて自信なくなったわ」などと思った方。

部下に「自分一番」と言われてしまいますよ。

上司と部下間に起きている捉え方エラー

上司の姿でチームワークは変わるかも?!  

立場や価値観が違えば受け取り方も変わる

「何を言っているんだよ。全部君ができないからやっていることじゃないか」
部下のミスや危機感のなさ、進捗の遅れ、膨大な事務処理、さらに上からは詰められ…上司の抱えているものは年々増す一方です。多少イライラしたり、八つ当たりをしたくなったりするくらい受け止めてもらいたい、本音はこうですよね。

ですが、部下からすれば「自分たちに感じるイライラはもちろんあるはずですがこちらに関係ないですよね?」というのが言い分です。客観的に見ればおっしゃる通りで、上司が抱えるイライラを部下が一緒に背負う義理はない。もちろん部下のミスや欠点は部下自身が背負う義理があります。そしてそこはなぜか上司も一緒に背負っているという構図があることも承知の上です。

つまり、上司という立場で見ているものと、部下の立場で見ているものはまったく違っている。
重責や膨大な業務量を抱える上司にとってはささいなことでも、小さなコミュニケーションや何気ない会話や気遣いなどを、部下は「上司の人間力」として大きく捉えているということがわかります。

部下は何を見て「嫌な上司」と思っているのか

20選の項目を見てみると、話を聞いてくれない・自己中心的・大事にしない・平等ではない、など「自分を見てくれていない」と感じている言葉が入っています。責めてくる・権力でねじ伏せるなどは「パワーで引っ張る形のリーダーシップ」の思い違いかもしれません。また、空気を読めない・無責任・非協力的・目的がわからないなどは「チーム内でのリーダーとしてのあり方に疑問を感じる」場面でしょうし、適当や中途半端・嘘をつく・約束を破る・ずる賢いなどは「人としての当たり前」を突いています。

部下が「自分に対しての接し方」だけで上司を見たり判断したりしているのではないことは明らかです。チームとして、リーダーとして、人として、当然に求めたいことを主張しているだけのように感じませんか?

思い込みがエラーを加速させる

部下に文句を言われている上司側からすると「どうせこの間怒ったからその仕返しだろう」とか「部下個人の感情」で自分に言いたいだけだろう?と感じがちです。忙しいのにそんなのに構ってられるか!と思う、それこそが思い込みではないでしょうか?部下には部下の「主張」があり、その主張は上司が思っている背景ではないこともあるのです。

また部下側からすると「何を考えているかわからない」という項目にすべてが表れているような気がします。コミュニケーションが足りず「上司はこう考えている”だろう”」と推測で仕事を進めていることが多いのではないでしょうか。だから上司の考えていることは表面的にしか伝わらない。ゆえに上司から見て「そうじゃないこと」が多い。上司がイライラする。部下は言い分を聞いてもらえないと感じる。さらにコミュニケーション不足が加速する(聞けない)こんな感じです。

お互いの思い込みを解消するには、小さな、頻度の高い、コミュニケーション=会話しか方法はないと思います。

部下が上司に望んでいる小さなお願い

『完璧な上司などいないのはわかっています。自分もお世話になっているし、なにも完璧な姿を求めているわけではないんです』

『でもイライラを態度に出すだけでは何の解決にもならない。求めていること、目的、意図、そういうのをもう少しちゃんと聞きたいんです』

部下が上司に求めるのはやはりコミュニケーションのようです。しかも小さくて、上司が思うよりももう少し建設的な内容みたいですね。「部下の方が自分勝手な言い分ばかりするじゃないか」そう思い込んでいるのは上司だけかもしれません。立場や価値観の違いで簡単にはわかり合えないからこそ、地道にコミュニケーションを重ねて相互理解を目指していく。そうすると部下は「自分の話を聞いてもらえている」と感じ、上司は「伝えたいことが伝わっている」と感じる。

それで、部下のパフォーマンスが上がり、上司のイライラが減り、生産性が上がるのならば、コミュニケーションの手間だってかける価値があると思います。「話したってわかるわけがない」と上司部下双方が思い込んでいるようでは、何にも解決しないですからね。

職場のコミュニケーションを活性化させる方法

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