チームには「型」がある-スポーツに例えた4つのチームの型

チームワーク、チーム力、チームビルディング…
組織はひとの集まりなので「チーム」という言葉がよく使われます。

ただ、人が集まりさえすればチームになるのか?というとそうではないですよね。

やはり、同じ目的を持って目的実現のためにそれぞれの役割をこなす「チームとしての機能」を果たすには、チームを「創り上げる」ことが必要になります。

でも、どうなったら「チームがつくられた」と言えるのか?
何があれば「チームになれるのか」というのはあまり明確ではないのかもしれません。

今回はスポーツチームの事例からチームを4パターンの「型」として捉えてみました。
自分が所属する、もしくは率いるチームはどの型に近いでしょうか?

一緒に考えてみませんか?

何が求められるか?によってチームの「型」は異なる

会社組織にはいくつもの「チーム」がありますが、求められる成果にたどり着くまでには「どういう役割の人がどのような貢献をすることでチームの成果につながるか?」というプロセスが存在します。

その過程でチームメンバーの連携度/外部環境変化度の2つを軸に「チームの型」をまとめ、スポーツに例えた分類が上の図です。つまり一口に「チーム」といっても、型によってあるべき姿が変わるということなのですね。

まずは4つのチームの型をそれぞれ簡単に解説します。

柔道剣道団体戦型チーム

先鋒に始まり大将で終わる武道の団体戦は、一人一人の勝ち負けがチームの成果に直結します。メンバーの連携はさほど成果に影響はしませんが、先鋒からの勝敗の数(外部環境)により「次は負けられない」などの戦略(変化)が立つなど、環境の変化に合わせて柔軟に対応することが求められます。

またメンバー一人一人が果たすべき責任が大きく、その結果がチームの結果と連動しているという型です。

営業部などはとてもわかりやすい例ですね。

箱根駅伝型チーム

ランナーがタスキをつないで一つのゴールを目指す駅伝は、ランナー一人一人の結果の積み重ねが最終的なチームの成果になります。駅伝メンバーは「チームの結果」という部分で繋がってはいますが、メンバー同士の連携というよりも「与えられた役割(1区、最終区、など)における自分の責任を果たすことが最重要です。

また、相手チームの順位などの環境変化は特別なこと(シード権争いなど)がない限り影響度は低く、それよりも各メンバーがそれぞれのベストを尽くせたか(責任を果たせたか)の方に重きが置かれます。

製造業のライン工程などはわかりやすい例かもしれません。

野球型チーム

9人がそれぞれのポジションで役割を果たし、チームの勝利に向けて戦う野球は、メンバーの連携や熟練度が成果を左右します。各ポジションごとの技術がベースにあるのはもちろんですが、ポジション同士がしっかりと連携が取れることを重点に置いた練習がなされます。

対戦相手に合わせた戦略などの変化も大事ですが、それよりも自分たちのチームがどれほど密な連携ができているか、それぞれのポジションの熟練度はどうか、などの方が成果に直結します。

オペレーションを組んで業務に取り組む飲食店などの店舗はわかりやすい例です。

サッカー型チーム

サッカーも野球と同じようにメンバーがポジションや役割を持ち、チームの勝利に向けて戦いますが、相手の動き(環境変化)に応じ柔軟にポジションや役割を変えながら対応しなければボールはすぐに相手に取られてしまいます。それぞれの技術は高くても、連携が取れない、変化に対応できないチームは勝利を勝ち取ることができません。例えばシステムプログラミングなど何かのプロジェクトチームなどを思い描くとわかりやすいかもしれません。

自分の会社は、事業は、部署は「どの型のチーム」なのか?を知った上でチームづくりを

チームビルディングというと「チームワーク(協力)」などをイメージする方も多いかもしれませんが、事業内容や提供スタイル、成果に必要なプロセスなどを踏まえた「あるべきチームの姿」はそれぞれ異なります。メンバー同士の協力が大切といっても、型が違えば協力の仕方も異なる。つまり、自分たちのチームはどういう型であるべきか?を知った上で、チームづくりをしなければいけないということです。

ぜひ自分の所属するチーム、率いるチームが、上の4つのどれに近いか?をイメージし、必要な課題を見極めていただくのに役立てばと思います。その課題は「連携」ですか?「技術の熟練度」ですか?「役割とポジション」ですか?「ゴールや指標の明確化」ですか?

そして、現状とあるべき姿とのギャップはどこにあるでしょうか?スポーツチームをイメージしていただければ、そのギャップを埋めるのに必要なのがチーム内のコミュニケーションであることは明白です。

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